Harvard Business Review誌のブログに「座りっぱなしは“New Smoking”」。座りっぱなし=新たな禁煙。はじめ、ジョーク?と一瞬笑ってしまいましたが、でも確かに言い得ているかもしれません。
スウェーデンで禁煙は、日本よりはるかに普及しています。スウェーデンの多くの医学に携わるスペシャリストたちが「喫煙を続けると寿命を縮める」と断言しています。私も訪れるたびに感じていましたが、スウェーデンやニューヨークなどでは10年以上も前からレストランやオフィスなどでの禁煙、歩きタバコの禁止は社会的な常識でした。喫煙するビジネスマンは「自分をコントロールできない」と見られ、昇進に影響するなどキャリアの面でもマイナスになるようです。スウェーデンではすでに「タバコは吸わない」は、その人の社会性と人間性が問われるまで道徳的な常識になっている、と感じています。
数年前まで、スウェーデンのメディアでは「禁煙=悪」を取り上げない日はないくらいでしたが、それが徐々に「座りっぱなし=悪」に変わりつつあります。さまざまなメディアが、座りっぱなしの危険性について医学的、解剖学的に指摘しています。
健康を考えてタバコをやめたかた、今はどんな気持ちですか? きっと以前より健康的で清々しい毎日を前向きに楽しんでいらっしゃることと思います。
「座りっぱなし」も同じです。仕事中の座りっぱなしをやめることで、腰痛やストレートネックなどによる痛みから解放され、肥満などの生活習慣病の予防・改善にもつながります。実際、立っているときの方が座っているときより多くのカロリーを消費します。また、立っているとインナーマッスルも鍛えられます。もちろん、立ちっぱなしは足が疲れてしまいますが……。
では、どうやったら仕事中の「座りっぱなし」がやめられる? それは、タバコをやめるより簡単です。Sit & Stand®デスク(日本では昇降デスクとかスタンディングデスクと呼ばれています)を使うこと。”立つ”と ”座る”の選択肢が自分にはあるべきだと分かること。
スウェーデンの企業のオフィスでは、Sit & Stand®デスクがスタンダードです。都市では95%以上導入。皆、立ったり、座ったりしながら仕事をしています。私も12年、日本で使っていますが、今では通常のデスク(高さ700-720mm)で一日中仕事をやれといわれれば、それは私にとって拷問です。
とにかく、覚えておいてください。“Sitting is the New Smoking!”。
座りっぱなしがいかに危険か、今まさに考えるときです。