2013/07/03 [コラム] 日本のオフィスと北欧のオフィス

グローバル化とIT化が進み、人の働き方もますます多様化している今、どれだけの日本企業がオフィスの重要性、可能性について真剣に考えているでしょうか。「生産性を向上させるオフィス」「機能的なオフィス」であるべきだと考えている企業はきっと多いでしょう。では、オフィスを「楽しむ場」「面白い場」にしたいと考えている企業はどうでしょう?

ストックホルムで私が訪問したノーピクニック社(No Picnic AB)は、世界的に注目を集めるインダストリアルデザインエージェンシーです。彼らのオフィスは、教会だった建物を外観はそのままに改修してつくりあげたもの。中に入ると、天井の高さを有効に活かした、開放感ある空間が広がっています。先進的なテクノロジーと斬新なインテリアデザインを駆使したシンプルモダンなオフィスは、思わずため息が出るほどの美しさ! デザインも機能もユニークなオフィスファニチャーを採用したり、柱に緑、椅子にオレンジなど鮮やかな色をアクセントとして取り入れたり、「遊び心」のあるユニークなオフィスに仕上がっています。もちろん、木のロングミーティングテーブルを配置するなど、「自然との協調」や「人のぬくもり」も忘れていません。とにかく、その場にいるだけでわくわくし、クリエイティビティが刺激される空間なのです。

従業員の働き方も自由です。オフィス内のキッチンで食べながら働く人、スタンディングデスク(上下昇降デスク)で立って働く人、床に座って働く人……。日本のオフィスではなかなか見ることのできない光景が広がっています。従業員は仕事にやりがいを感じ、働くことを目一杯楽しんでいる。企業もそういった従業員を信頼し、大切にしている。いい循環で廻っているなと感じました。

今後さらに情報ネットワーク化が進めば、たとえばオフィスに行かなくても仕事ができる人たちの数は日本でも急激に増加するでしょう。そのような時代に求められる人材は? オフィスは? オフィスのあり方を再構築するときは近づいています。