2015/02/24 [コラム] ストックホルム ファニチャーフェア 2015を視察

私が毎年、真冬のこの時期に北欧を訪れる目的の一つが、北欧最大級の国際家具見本市「ストックホルム ファニチャーフェア」の視察です。どんな新しいトレンド、製品、人と会えるのかワクワクしながら、今年ももちろん、厳寒のストックホルムへ行ってきました。広いフロアに約700のブース(約30カ国から、うち80%が北欧)が配置された見本市会場は例年通り、バイヤーや建築・デザイン関係者、メディアの人々などで大賑わい! 2月3日〜7日の会期中、世界60カ国から約4万人がフェアを訪れたそうです。

ゲスト・オブ・オーナーとして今年のメインエントランスのラウンジデザインを手掛けたのは、イギリスの人気インテリアデザイナー、イルゼ・クロフォード(Ilse Crawford)。“Question time”と名付けられた作品の壁には“What is new?”などいくつかの問いが掲げられ、来場者は備え付けのペンと紙で自由に意見を書き込み、コルクの壁に貼ることができました。

“What does sustainable design mean to you?(あなたにとって、持続可能なデザインとは)”、これはクロフォードが私たちに投げかけた問いの一つです。ある来場者はこう答えていました。“A production line which does not hurt anyone.(誰をも傷つけない生産)”。今年のフェアでは、多くの出展者が「環境への配慮」についての意識をこれまでより強く打ち出しているように感じました。この家具は、どこで、どんな材料を使って、どのように作られているのかを消費者に分かりやすく表示する……。まるで食品の安全性の話のようですね。今後、この傾向はますます強くなっていくであろうことを肌で感じました。明るい色の木材だけでなく、ブナのベニヤや植物のなめし皮など、環境に優しいユニークな材料を使った製品を展示するブースも多く見られました。

オフィスファニチャーの各社の展示では、環境への配慮に加え、引き続き、オフィスの縮小化への対応がテーマの一つのようでした。サイズは小さくても、使う人がより快適に感じられる機能美あふれるオフィス家具を……。あるブースの担当者は、「皮ばりのアームチェアの快適さを損なうことなく、どのくらい細くできるかに挑戦したんだ」と、32センチの幅しかないけれど、高い背もたれとソフトなパッドの座面、背もたれの下部に腰を支えるプロテクションのある、デザイン性の高いアームチェアを紹介してくれました。

ヨハンソン デザインをはじめ、私たちスカンジナビアン モダンが日本に紹介している北欧家具ブランドのブースに足を運び、担当者と最近の流行などについて話をし、さらに、新しいブランドや製品を求めて、広い会場をとにかく歩き回った、今回のファニチャーフェア。そこで経験したたくさんのステキな出会いを新しい商品やアイデアにかえて、日本の皆さんに今後も紹介していきます。

【ストックホルム ファニチャーフェア 2015】
会期:2015年2月3日〜7日
場所:スウェーデン・ストックホルムの見本市会場
来場者数 :39,987人
うち海外からの来場者:6,635人(約60カ国)
出展社数:711社
うち海外からの出展社:314社(80%が北欧)
展示スペース:70,000㎡

2014/11/14 [コラム] Sit & Stand®デスク、ついにアメリカに上陸

先日Japan Timesを読んでいて、ある記事の写真に目がとまりました。
それは、なかなか目にすることのできない、シリコンバレーのFacebook社の職場風景を切り取ったもの。
その写真をよく見ると、数人のスタッフが立って仕事をしていることがわかります
(ちなみに、記事は多くの人にとってFacebookが新聞に代わる情報源になりつつあるという内容)。

そう、Sit & Stand®デスク(上下昇降デスク・電動昇降デスク)はついにアメリカに上陸、そして普及し始めたのです!
Facebook社では約1年前に、Sit & Stand®デスクを導入したそうです。素晴らしい才能たちが、
生き抜くために熾烈な競争を日々繰り広げているシリコンバレーの各企業。
長時間の集中力を求められるそれぞれのオフィスで、一人ひとりの生産性を最大限に高めるために選ばれているのが、Sit & Stand®デスクです。

スウェーデンで約30年前に開発されたSit & Stand®デスクは、やがて他の北欧諸国や北ヨーロッパへ。
そしてここ数年で、長い間未開発だったアメリカの企業にも導入され始めました。
ついに、ようやく!

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2014/09/12  [コラム] Sit & Stand® デスク(上下昇降デスク/電動昇降デスク)ムーブメント、到来!

Sit&Stnad®(電動上下昇降デスク・上下昇降デスク)

嬉しいことに、今、ようやくここ日本でも、Sit & Stand®デスク(上下昇降デスク/上下昇降デスク)への関心が急速に高まってきました!

近年、さまざまなメディアで取り上げられるようになったSit & Standデスク。facebookでも紹介しましたが、9月8日に発売された雑誌『プレジデント』(9.29号)でも弊社のスタンディングデスク、Sit & Stand®デスクが、エリクソン・ジャパンの先進オフィス記事の中で取り上げられました。

同社が2011年の新オフィス移転の際に導入を決めたのが、立っても座っても仕事ができる電動昇降デスク、Sit & Stand®デスク(Edsbyn社製/スウェーデン)。エリクソンのストックホルム本社(全従業員8000席に導入)の広報部は、すでに海外のエリクソンのオフィスすべてに、このスタンティングデスクを導入していると話しています。

スウェーデンでSit & Stand®デスクに一目惚れし、日本に紹介し続けて12年。Sit & Stnad® (商標登録取得2006年)北欧で生まれ、アメリカで先に火がつき、日本にもようやく到来したこのムーブメントを追い風に、日本の皆さんにもっともっと、このデスクの価値を広めていきたいと思っています。

スタンディングデスクには今、企業や学校、ホームオフィス、それに個人のお客さま(書斎やお子さまの勉強机に)などから毎日、たくさんの問い合わせをいただいています。デスクを上げ下げしてみたい? 立って仕事ってどんな感じか興味がある? ならば、ぜひ弊社のショールームにお立ち寄りください!

2014/01/10 [コラム] スタンディングデスクのメリット その5

スタンディングデスクのメリット その5
優秀な人材の確保に

近年、社員の健康を気づかった社員食堂ができたり、早朝出勤をする人には会社が朝食を無料で提供したりする企業が登場しています。優秀なスタッフを確保し、その人に健康を害さずに長く働いてもらうために、企業が働きやすい環境の創造に努めているのです。「Sit&Stand®デスク」はそういった観点からも企業が多く導入しているのです。また国内でも北欧デザインは大人気。飽きの来ないシンプルなデザインなので、オフィスはもちろん、老若男女、さまざまなシーンでご利用いただけます。部材や天板、サイズも各種ご用意しています。

2014/01/06 [コラム] スタンディングデスクのメリット その4

スタンディングデスクのメリット その4
北欧デザインでスタイリッシュに

北欧のスタイリッシュなデザインは日本でも大人気です。スウェーデン生まれの「Sit&Stand®デスク」もシンプルで飽きのこないスタイリッシュ・デザイン。どんなオフィスにも合わせやすく、上質でユニセックスな造り。デスク昇降時の動作も手動式やクランチ式でなはく、ボタンをワンプッシュするだけの電動式なのでとてもスマートです。

2013/12/22 [コラム] スタンディングデスクのメリット その3

スタンディングデスクのメリット その3
コミュニケーションの活性化

スタッフたちとのブレインストーミングでは、座ってやるよりも、立ってやった方が短時間で活発な意見やアイディアが出やすいとされています。立ちながらみんなでコーヒーブレイクなどの時間も取りやすくなり、職場の会話もはずみやすくなります。また、“座った上司の前に立たされる社員”というシーンも少なくなり、フラットで明るい雰囲気で会話がはずみます。チームワークを最大限に発揮できます。

2013/12/16 [コラム] スタンディングデスクのメリット その2

スタンディングデスクのメリット その2
生産性の向上

クリエイティブな仕事や計算などひとりで集中したい時は座って、スタッフとの意見交換や報告、資料の仕分けなどの時は立つことが多いので、仕事にメリハリがつきます。北欧では「上司が立っている時は話しかけてもよい」が暗黙の了解になっているほど。腰痛や疲労が軽減され、適度な頻度で体のポジションが変えられるので気分転換もでき、集中力が高まって生産性が向上するとされています。

スタンディング・スタイルのデスクは、ノーベル文学賞を受賞した文豪 アーネスト・へミングウェイや、第3代アメリカ合衆国大統領 トーマス・ジェファーソンなども愛用していたと言われています。最近では米国・シリコンバレーを中心に、有名な大手IT企業のクリエイターなどにも愛用され、世界的にもブームになってきています。

2013/12/11 [コラム] Sit&Standデスクの5つのメリット

IT先進国スウェーデンをはじめ、北欧のオフィスでは“当たり前”となっているスタンディングデスクは、座ったり、立ったり、その時の気分に合わせて自由にデスクの高さをボタンひとつで調整できる高機能デスク。

スタンディングデスクのメリット その1
ダイエットや健康維持に

「エコノミー症候群」という言葉もあるように、 “座りっぱなし”は健康にダメージを与え、寿命も縮めるとされています。適度に立つことで健康被害から免れることが人間工学的な点からも実証されています。パソコンの前で長時間座ったまま仕事をしているヘビーワーカーなどに多い<目の疲れ・肩こり・頭痛・腰痛・ストレートネック>などの症状が軽減。実際に導入した企業からは腰痛などの痛みが減少したという多くの報告が寄せられています。立つことで、座り続けている時よりもカロリーを消費でき、脂肪も燃焼できます。ランチ後の30分は毎日立って仕事をするなど、食後の簡単なエクササイズも習慣化しやすくなります。

上下昇降デスク/sit&stanデスクは昇降可能なデスクにより常に仕事の姿勢を選べるので、腰痛や肩こりの軽減、生産性の向上などにつながる現代の画期的なオフィス・インフラとなっています。

2013/10/11 [コラム] Sitting is the New Smoking! 禁煙の次にくるのは、禁“座りっぱなし”

Harvard Business Review誌のブログに「座りっぱなしは“New Smoking”」。座りっぱなし=新たな禁煙。はじめ、ジョーク?と一瞬笑ってしまいましたが、でも確かに言い得ているかもしれません。

スウェーデンで禁煙は、日本よりはるかに普及しています。スウェーデンの多くの医学に携わるスペシャリストたちが「喫煙を続けると寿命を縮める」と断言しています。私も訪れるたびに感じていましたが、スウェーデンやニューヨークなどでは10年以上も前からレストランやオフィスなどでの禁煙、歩きタバコの禁止は社会的な常識でした。喫煙するビジネスマンは「自分をコントロールできない」と見られ、昇進に影響するなどキャリアの面でもマイナスになるようです。スウェーデンではすでに「タバコは吸わない」は、その人の社会性と人間性が問われるまで道徳的な常識になっている、と感じています。

数年前まで、スウェーデンのメディアでは「禁煙=悪」を取り上げない日はないくらいでしたが、それが徐々に「座りっぱなし=悪」に変わりつつあります。さまざまなメディアが、座りっぱなしの危険性について医学的、解剖学的に指摘しています。

健康を考えてタバコをやめたかた、今はどんな気持ちですか? きっと以前より健康的で清々しい毎日を前向きに楽しんでいらっしゃることと思います。

「座りっぱなし」も同じです。仕事中の座りっぱなしをやめることで、腰痛やストレートネックなどによる痛みから解放され、肥満などの生活習慣病の予防・改善にもつながります。実際、立っているときの方が座っているときより多くのカロリーを消費します。また、立っているとインナーマッスルも鍛えられます。もちろん、立ちっぱなしは足が疲れてしまいますが……。
では、どうやったら仕事中の「座りっぱなし」がやめられる? それは、タバコをやめるより簡単です。Sit & Stand®デスク(日本では昇降デスクとかスタンディングデスクと呼ばれています)を使うこと。”立つ”と ”座る”の選択肢が自分にはあるべきだと分かること。

スウェーデンの企業のオフィスでは、Sit & Stand®デスクがスタンダードです。都市では95%以上導入。皆、立ったり、座ったりしながら仕事をしています。私も12年、日本で使っていますが、今では通常のデスク(高さ700-720mm)で一日中仕事をやれといわれれば、それは私にとって拷問です。
とにかく、覚えておいてください。“Sitting is the New Smoking!”。
座りっぱなしがいかに危険か、今まさに考えるときです。

2013/09/02 [コラム] スウェーデンの石畳

ヨーテボリからノルウェー国境までのびるスウェーデンの西海岸、ボーフスレーン(Bohuslän)は、澄んだ海、空、岩が織りなす素朴で美しい風景が楽しめるエリアです。

花崗岩が豊富なこの地域ではその昔、石切産業が栄えていました。加工がしやすく美しい花崗岩は、道路の石畳として高値で取り引きされたのです。 “knott”と呼ばれる小さなキュービック状に切り出されたボーフスレーンの花崗岩は、国内のみならずヨーロッパやアメリカ大陸などにも輸出されました。スウェーデンから遠く離れたブエノスアイレスの通りにも、ボーフスレーンの石が敷かれていると考えるとちょっと不思議な気持ちになりますね。

戦後、過酷な石切作業から若者が離れていったことや、石畳がアスファルトに置き換えられていったことなどから、ボーフスレーンの石切産業はゆっくりと衰退していきました。世界的にも、安く生産できる中国が花崗岩の主要な供給国になりました。現在、ボーフスレーンには小さな石切会社がひとつ、残るだけです。

今、スウェーデン西海岸を車で旅すると、至る所でこの石切場の跡に出合います。その昔、多くの若者たちが汗水流して工具を振り下ろして石を切っていた場所……。当時の風景に思いを馳せながら海岸線を眺めると、赤い花崗岩の大きな岩から水着を着た子供たちが海に向かって元気よくダイブしている姿が目に入ります。

ボーフスレーンの“knott”は今や、希少価値の高い高級品です。スウェーデン人の間では、この石は“成功の証し”。彼らはそれを、サマーハウスの庭の小道や玄関前のアプローチ(駐車エリア)に敷いて、本物の豊かさをさりげなく楽しんでいます。